▼今日の行程(集合前)
ホテル
↓ (歩)
グランドセントラル ↓ (S)
[ タイムズスクエア(Times Sq 42 St) ]
↓ (1)
[
14 St ]
↓ (2)
[
チェンバーストリート(Chambers St) ]
↓ (bus)
[
サウスフェリー(South Ferry) ]
↓ (Ferry)
スタテン島(Staten Island) ↓ (歩)
スタテン島911慰霊碑(The Staten Island September 11 Memorial)
↓ (Ferry・歩)
[ ホワイトホールストリート(Whitehall St) ]
↓ (R)
[ ユニオンスクエア(14 St Union Sq) ]
↓ (L)
[ 8 Av ]
↓ (歩)
チェルシーマーケット(Chelsea Market) ↓ (歩)
[ 14 St ]
↓ (A)
[ ペンステーション(34 St Penn Station) ]
↓ (歩)
マディゾンスクエアガーデン(Madison Square Garden) ↓ (歩)
メイシーズ(Macy's) ↓ (歩)
タイムズスクエア ↓ (歩)
ロックフェラーセンター近くのTシャツ屋
↓ (歩)
ブライアントパーク
↓ (歩)
グランドセントラル
↓ (歩)
ホテル
■ グランドセントラル 8時にホテルのロビーで待ち合わせ、グランドセントラルの地下で朝食を摂った。日曜の朝8時だけあって、そんなに人が多くない。地下のフードコートもまだ開いていないお店が多くて、やっているのは2〜3店くらい。その開いているお店の1つで、ベーグルを買って朝食にした。ニューヨークといえばベーグル! 美味しかったが、ちょっと量が多かった。
今日は夕方4時の待ち合わせまではフリータイム。ご一緒した方の希望で、スタテン島に渡ることにした。スタテン島へは、マンハッタンの南端から、フェリーに乗って渡る。まずはフェリー乗り場のある、サウスフェリー駅まで行かなくてはならない。グランドセントラルからだと、シャトルでタイムズスクエアに出て…と、経路を探す。
■ 14 st 
タイムズスクエアから1番(地下鉄の路線名)に乗っていると、14ストリートに停車した時、何かアナウンスが流れた。backがどうとか。そしてごそっと人が降りた。でも、そのまま座っている人もいる。
もしかしてこの電車、ここまでなんじゃあ?
NYの地下鉄は、いきなりここで終点、とか、今から快速になるね、とか、そういうことを平気でやるのだ。
でも、座ってる人もいるしなあ…。
とか何とかしゃべっていると、駅職員のいかつい黒人の男性が、何やら叫んでいる。
「お前ら、どこに行くんだ?」
「サウスフェリー」
「この電車はここでストップだ。折り返す。こっちの電車に乗れ」
「こっち?」
「そうだ」
ちなみにもちろん、英語で言っているので、大体の意味だけしか分かっていない。本当はもっと丁寧に説明してくれていたのだが、上の和訳くらいのことしか分からなかったのだ。
言われるがままに乗っていた電車を降りて、向かいのホームに来ていた電車に向かったのだが、「こっち?」なんて聞いてるうちに、ドアが閉じてしまった。
駅職員の人が「ちっ」と舌打ちしながら、電車の後方に向かって合図を送ると、一度閉じたドアが再び開いた。
「サウスフェリーだよな?」
「はい、サウスフェリー」
「チェンバーで降りろ」
「チェンバー?」
「そう、チェンバーだ!」
「O.K. Thank you!」
ぼくのお礼を待たずにドアは閉じてしまったが、恐らく声は聞こえたと思う。チェンバーストリートで降りれば良いようだ。
■ チェンバーストリート電車がチェンバーストリートに着くと、さっき同じ電車に乗っていた人たちがぞろぞろと降りている。ぼくらもそれに続いた。
ん? ホームで何か電車を待つのかと思っていたら、改札を出て行くじゃないか。どうやら、この先地下鉄は運行していないらしい。運行していないって言っても…チェンバーからサウスフェリーまでって、まだずいぶんと距離があるよなあ。
同じ電車に乗っていた人たちが、駅職員と何かを話して、階段を上っていった。ぼくらもそれに続く。
地上への階段を上ると、ちょうど目の前にバスがいた。さっきの人たちはそこに乗っていく。運転手の女性に、
「To South Ferry?」
と聞くと、「乗れ乗れ」とばかりに手招きされた。
どうやら、地下鉄の代替輸送のようだ。よく読めなかったが、料金ボックスのところに厚紙が立ててあって、料金を払わなくて良いようになっていた。もっとも、MTAのバスだったので、例え料金が必要でも、メトロカードで乗ることができるのだが。
代替輸送のおかげといっては何だが、今まであまり歩いたことのなかった、ロウアーマンハッタンの街並みを見ることができた。ここらへんは金融街…だったと思う。いや、まさしく世界経済の中心地、ウォール街だ。車窓から、有名な牛のブロンズ像が見えた。
■ サウスフェリー
電車とバスを乗り継いで、ようやっとサウスフェリーにたどり着いた。ここからスタテン島行きのフェリーに乗る。
NYを何度か訪れたことがある人には有名らしいが、このスタテン島へ向かうフェリーは自由の女神の目の前を航行する。しかも無料。7ドル払って長い列に並んでリバティ島に渡らなくても、自由の女神が見られるよ、という、穴場スポットなのだ。そのため、スタテン島行きのフェリーに乗って、スタテン島には降りず(正確には一度降りてすぐ乗る)、マンハッタンへ戻る人もちらほらいる。
とはいえ、ぼく個人としては、一度はリバティ島に渡って、間近で自由の女神を見ることをお勧めしたい。結構びっくりするくらい大きいし、やっぱりあれこそNY!って感じがするじゃないか。2002年、2004年と訪れているので、ぼくも今回はいかなかったが、誰かが「行きたい」といえば、特に躊躇なく、もう一度リバティ島に向かうだろう。

フェリーの時刻表を見てみると、この時間は1時間あたり1本の航行。次の便までは30分くらいある。近くに30分で往復できるスポットもないので、フェリー乗り場で待っていることにした。
フェリー乗り場付近は、現在再開発中と言って良いエリアだが、この乗り場も、2004年に比べて格段に綺麗になった。警察官も配備されていて、どうやら安全なようだ。まぁ本当に安全なところは、そもそも警察官が配備されないのだが。
フェリーでは入って右側に乗る。そうすると、航行中に自由の女神を見ることができるのだ。同じ目的の人たちが、右舷に集まっていて、カメラを構えて待っている人も何人もいた。
■ スタテン島 〜 911慰霊碑
フェリーを降りるとそこはスタテン島。ショッピングモールや、フィッシングスポット、動物園やなんかがあるらしく、家族連れの姿も目に付く。フェリー乗り場が地下鉄の駅に直結していたが、ぼくらは徒歩で慰霊碑に向かった。
フェリー乗り場から慰霊碑までは歩いて5分くらい。途中、スタテンアイランド・ヤンキースのホームスタジアムの前を通る。スタテンアイランド・ヤンキースは、名前の通りヤンキース傘下の、1Aの球団だ。シングルAとなると、球場もずいぶんと小さくなる。ちょっとのぞいてみたが、人っ子一人いなかった。

スタジアムを越えると、すぐに慰霊碑が見えてきた。このモニュメントは、911のテロで犠牲になった、スタテン島の人たちのための慰霊碑として、マンハッタンを一望できるこの海辺に建てられたんだそう。手紙を模したオブジェクトに、人の横顔を切手に見立てて、その名前が刻んである。
後からモニュメントの名前を知りたくて調べたところ、この慰霊碑、曽野正之(*1)という日本人の人がデザインしたんだそうだ。日本人とは言っても、ニューヨークに在住されている方のようだが。意外なところで「正之」がつながった。
慰霊碑を見ていると、スポーツ自転車に乗った初老の白人が近づいてきた。何だろう?911の慰霊碑の近くで物珍しそうにしている東洋人に、何か不快な感情を持ったんだろうか。サングラスをしていて、その表情は分からない。
「Excuse me, what time is it now?」
ぼくの方に向かって、手の甲をひねって見せる。え、今、時間聞かれたよな?
「It's Ten ... Five」
ぼくも手の甲をひねって時計を見せながら、答えた。ちなみに10時5分だ。
「Thank you」
と言って、男性は走っていってしまった。

スタテン島はずいぶんとのどかなイメージだ。慰霊碑に行く途中も、ホントにのんびりとしていた。が、これだけ人が少ないのは、逆に気になる。警官もいない。今の治安情報が分からないので、あまりぶらぶらせずに、フェリー乗り場に戻ることにした。
スタテン島に来た時同様、30分近く待ってフェリーに乗る。
写真を撮ったりしながら話していると、近くに座っていたおばあさんが声をかけてきた。
「あなたたち、日本人ね」
あ、言葉日本語。話しかけられたのはぼくではなくて、隣に座っていた同行者の一人。
「旅行ですか? どこから来たんですか? NYは何回目ですか?」
なんて話をしているが、日本の方ではなくて、中国の方だそうだ。
「日本語聞いてたら懐かしくなって、話してみたくなったの」
とのこと。戦中の人ではなさそうだったので、おそらく、日本に住んでいたことがあったのだろう。
■ チェルシーマーケット フェリーでマンハッタンに戻った後は、ホワイトホールから地下鉄に乗って、チェルシーマーケットへ。ここも最近になって治安が向上した場所らしく、ガイドブックを読むと「以前はお勧めしていなかったが」みたいな文が書いてあった。
行ってみると、今は順次改装中、といった感じ。段々と綺麗にしていって、観光スポットっぽくもしたいんだろうが、今はまだ、いわゆる"マーケット"で、肉や野菜やパンが売っているお店が集まっているだけだ。ここでお昼を考えていたのだが、あまりそういうムードにもならなかったので、ざっと見るだけで出てきてしまい、ペンステーションまで移動して、そこの地下でパニーニを食べた。
■ マディソンスクエアガーデン
いわゆるMSG。プロレスファンにとっては聖地といっても過言でない場所だ。ペンステーションの真上にどーんと乗っかる感じに存在する。中に入ることはできなかったが、円形に建っている建物の、壁を見上げることはできた。
ガイドブックによると、中に入って、ロッカールームなんかを見られるツアーもあったようなのだが、一緒に行動していた方々は恐らく全く興味がないだろうし、あまり時間もなさそうだったので、今回はパス。ぼくだって、バスケのロッカールームを見せられてもあまり楽しくない。普段はプロレス会場仕様になっていないだろうし、時間があってもツアーに参加したかどうかはもう一度考え直したと思う。
■ メイシーズ 続いて、MSGの斜向かいにある、老舗デパートメイシーズへ。日本の三越とか高島屋に当たるんだろうか。

ここへ来た目的は、木製のエスカレータを見ること。メイシーズには、もちろん機械部分は金属を使っているだろうが、手すりやステップの部分が木製の、古いエスカレータがある。場所によっては、ステップの部分は金属製になってしまっていて、手すり部分が木製、というところもあるが、それにしたって年代ものだ。
一緒に行動していた方は以前に来たことがあったので、案内してもらう。始めに乗ったエスカレータは普通のもので、それでしばらく昇った後、奥の方に移動。エレベータの裏側の方に回ると、おぉ!木製だ! もっと小さなものを想像していたが、きちんと現役の、実用サイズのエスカレータだった。何年くらい前のものなんだろう?
■ タイムズスクエア 〜 ホテル 一緒に行動していた人の一人はこの後用事があるということで、木製エスカレータを見た時点でお別れ。彼とはまた数時間後に会うことになる。後に残った二人で、「ぶらぶらしましょう」と、NYの街を歩いた。歩いて、人や通りや建物やお店を見ているだけでも、結構楽しめるのが不思議なところだ。

タイムズスクエアまでのんびり歩いて、その中央で写真を撮った。日曜だけあって、すごい人出だ。色んな国の人が、似たような場所で写真を撮っていた。
その後は、昨日、ロックフェラーセンターに行ったときに見かけて、ちょっと気になったTシャツ屋さん。ロックフェラーセンターと同じ一角にある。外から見える位置にかけられていた、ドナルド・ダックのTシャツが良さそうだったのだが、近付いて見てみると、ちょっとぼくには着られそうにないデザインだった。飾っておくには良かったんだけどなあ。結局何も買わずに店を後にする。
そのままブライアントパークを経てグランドセントラルまで歩いて、グランドセントラル内のお店を物色。同行していた人が、ゴディバでココアを買っていた。まだ待ち合わせまで時間があったので、ホテルにもどって一休み。きっとこの後またしばらく歩くことになるので、この休憩は正解だった。
さぁ、いよいよ、NYで正之先生とご対面だ!